「リアル月面基地の作り方」でも書きましたが、月では2週間の昼と、2週間の夜がくり返されます。昼の間は太陽光発電による電源の確保ができます。
問題は夜。当然太陽光が当たらないために太陽光発電はできません。ですからその期間に使う電気は充電池に溜めておく必要があるわけですが、エネルギー密度の高いリチウムイオン電池は使えません。というのは、宇宙科学技術連合講演会で聴いてきた動作環境が摂氏ー60度以上でないといかんということで、摂氏ー120度にもなる月面では、充電池をヒーターで温めないと使えません。電気を使うために電気でヒーターを動かさないといけないという、なんだか本末転倒な感じになるわけです。
そこで宇宙科学技術連合講演会の時には、月周回軌道上に太陽光発電衛星を配置し、そこから可視光レーザーを発射して月面の太陽光発電パネルに照射し、それによる発電を行うと良いのではないかというアイデアを話していました。これの良い点は受電設備を新たに作らなくても良いということです。マイクロ波による送電だと、別途受電設備が必要になりますが、可視光レーザーなら昼の間に発電するための太陽光発電パネルを受電システムとしてそのまま使えるというのがミソです。
しかし昨日、源智株式会社の人と話をしていたら、非常用電源としてコンクリートを使って位置エネルギーを電気エネルギーに変える発電装置を作っているという話を教えてもらいました。要は、夜の間に揚水しておき、電力が不足したときに発電する揚水発電所と同じ様なことを、コンクリートブロックでやろうという話です。
これ、月面ではレゴリスを使ってできないですかね? つまり昼の間に発電した電気を使ってレゴリスをクレーターの斜面の上に運んでおき、夜になったらそれをクレーターの底に落とすことで発電機を回そうという話です。
もっとも、水力発電では発電機の羽根に水を当てることで発電を行いますが、レゴリスの場合は羽根に直接当てるのは発電機の不具合を誘発しそうなのでダメでしょう。
たぶん、自転車のチェーンみたいなものを使って発電機を回す。その時にペダルをこぐ代わりにレゴリスの入った袋を落とすことで回すという方法です。
レゴリスの入った袋をエレベーターのようにクレーターの底に下ろすことで、ケーブルが発電機を回すと言う方がイメージが付きやすいでしょうか…?
これなら設備としては大規模にはなりますが、月面で調達できるモノを使って発電ができますよね。